平田オリザさんといえば、演劇をしている人ならば言わずとしれた現代口語演劇のパイオニア。
彼は演劇に関する著書を何冊も執筆しており、どれもが読み応えがある内容の濃いものになっています。
平田オリザさんの本は演劇の具体的な内容よりもむしろ精神面のことを言うことが多く、演劇関係者以外にもお勧めの本が多くあります。
今回はそんな平田オリザさんの本の中から高校演劇をしている人におすすめの本を三冊紹介します。
ぜひご覧ください。
高校演劇をしている人におすすめ。平田オリザさんの著書3選
幕が上がる(講談社文庫)
ももいろクローバーZの出演で映画化されたのも有名な「幕が上がる」
原作の小説は高校演劇のバイブルとして、おすすめされています。
後ほどおすすめする「演劇入門」に書かれていることとも重なることもあり、セットで読むことをお勧めします。
私も映画と小説、どちらも見ましたが、私としては小説の方がより平田オリザさんの言わんとすることが伝わってきて、おススメでした。
高校演劇をしている人、あるいは高校演劇出身の人も”演劇の青春”を実感し、そして思い出すのにいい作品だと思います。
演劇入門(講談社現代新書)
高校演劇をしている人、あるいは大学から演劇を始めた人。など、演劇をはじめたばかりの人におすすめの本です。
冒頭の「リアル」とは何か?劇世界と実世界でのリアルの違いなどを通しながら演技と演出について述べられていきます。
どちらかというと、技術的な内容よりはむしろ、演劇をやるうえで意識することのようなものが多いかと思います。
ただ、演じるにおいて、そのような意識づけは時には発声練習よりも大切だったりするので、私はとてもいい本だと感じました。
わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か (講談社現代新書)
コミニュケーション力というと、空気を読んで場を盛り上げる能力であったり、話題に合わせたり、話題を振ったりする能力のように思えます。
この本はそんなコミニュケーションの能力をあげる本ではなく、真のコミニュケーション力とでもいいましょうか。相手を理解したり、なぜ軋轢はおきるのかのような点を深く掘り下げる本です。
演劇の話題はそれほど多くはありませんが、「コンテクスト」という脚本を理解したり、あるいは演技をするうえでとても大事なキーワードが出てきます。これだけでも読んでおく価値はあるかなと思いました。
途中の一節では。ダブルバインドに焦点を当てて日本の学生が置かれている環境を説明します。私もよく同じ状況に悩まされることがあるのでとても共感した覚えがあります。
確かな記憶ではないですので別の著書でしたら申し訳ありませんが、慶応義塾大学の推薦入試でも平田オリザさんのこの著書から出題があったかとおもいます。
コミニュケーション教育という言葉をよく聞きますが、そもそもコミニュケーションとはなにか。さらには「グローバルコミニュケーション」として異文化理解に大切なことを教えてくれる著書です。
高校生はもちろん、大学生、あるいはすでに大人になった人たちも自分の真のコミニュケーション力を学ぶのにいい本であると感じました。
平田オリザさんの演劇脚本
戯曲図書館より平田オリザさんの演劇脚本を紹介します。
購入して読むと、より一層平田オリザさんの著書の意味が分かってくるかと思います。
私は「この生は受け入れがたし」のVHSを観てはじめて会話劇の面白さに気づいた想い出があります。