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今回は観劇三昧で配信されている動画「劇団5454プロデュース 佐瀬恭代×森島縁二人芝居 スケッチ」の紹介をします。
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劇団5454プロデュース 佐瀬恭代×森島縁二人芝居 スケッチを観た
劇団5454プロデュース 佐瀬恭代×森島縁二人芝居 スケッチを観る
感想
女性による二人芝居です。
明るいまゆゆと、引きこもりのよっちゃん。
まゆゆの家でお泊まり会をする二人。
とりとめのない話が淡々と進んでいきます。
一つ目のシーンが終わり、次のシーンがはじまると、おや?と観たことのあるようなシーンがくり返されます。
まゆゆが「留学」に行くという話になった途端、よっちゃんの様子がおかしくなります。
まゆゆと一緒にいたいがために「留学に行かないで」というのです。
さすがにそれはおかしいと諭すまゆゆに対して、よっちゃんは一歩も譲りません。
緊張感がます中、まゆゆが一言「友達でこんなこというのも変なのかもしれないけどさ、私たち距離おいた方がいいと思う」
緊張と緩和のバランスがとてもいい作品でした。
理想の中に閉じこもる
この作品でグッときたのは、同じ日が何日も何日も繰り返すこと。
最初は、何が起こっているかわかりませんでしたが、だんだんと、それがよっちゃんが見ている想像の中ではないのかと考えるようになります。
まゆゆと離れたくないよっちゃんが、まゆゆとずっと一緒に居ることのできる方法。
それが、「自分の理想の中に閉じこもること。」
これはこの物語に限ったものではなく、おそらく多くの人がこのような考えをしているのではないかということをこの物語は示唆しているような気がしました。
現実の異性と付き合うのが怖くて、その気持ちをゲームやアニメ、あるいは漫画などのキャラクターへの愛に変え、
自分の世界に引きこもるなんてのはよく聞く話です。
これが悪いというわけではありません。
少なくとも、キャラクターへの愛も一つの愛の形ではあると思います。
また、理想の人との妄想を膨らませること。
これも悪いことではありません。
だけど、ひとたび、その理想が崩れたとき、
むき出しにされた現実が襲い掛かります。
この作品では、そんな儚い様子も垣間見えました。
対人関係の脆さ
この作品の巧妙さは、タイトルが「スケッチ」であることです。
goo国語辞書を見てみると
1 風景・事物などを大まかに写しとること。また、その絵。写生。素描。「野の花をスケッチする」https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E3%82%B9%E3%82%B1%E3%83%83%E3%83%81/
スケッチは、あくまでも大まかに写しだされているものであって、実物そのものではないのです。
どれだけ詳細に詳細に見て言ったとしてもそれは本物ではなくスケッチなのです。
そのことがこの物語での対人関係の脆さを象徴します。
よっちゃんとまゆゆ、お互いがお互いを大切にしていたとしても、お互いに理解できない壁があり、妥協し難い想いがあります。
同じ日が繰り返されているのにも関わらず、少しずつ変わって行く状況は、その気持ちの変化を象徴するとともに、
見れば見るほど変化して行く人物の心情を正しく観察・スケッチすることの難しさすら象徴します。
どんなに親しい中にも、ケンカやすれ違いが生じるのは仕方ないことなのかもしれません。
それは、僕たちがお互いをスケッチという大まかな枠でしかお互いを見つめられないからなのでしょう。
まとめ
いかがだったでしょうか?
劇団5454プロデュース
佐瀬恭代×森島縁二人芝居 スケッチ
とてもおすすめです。見れば見るほど考えさせられ、ストレートに刺さってくる作品です。