【高校演劇・大学演劇向け】はじめての照明マニュアル プラン編①

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はじめての照明マニュアル プラン編その①『見せること』

照明といえばものや人を照らすものというイメージがあると思います。

なぜ照らすかと言われると、それは観客が見えるようにするからです。

完全に暗くなっている状況(暗転下)では、舞台上にあるものは全く見えません。

つまり、舞台照明は観客に「見せる」ためにあるということです。

舞台照明には「見せる」ときに大事だと言われる4要素があります

照明「見せる」4要素

・正しく見せること
・現実的に見せること
・美しく見せること
・心情を見せること

これら4つの見せ方の違いを使い分けることで、観客によりよく見せることができます。

それでは、一つ一つ具体的にみてみましょう。

正しく見せる

暗いところでは、対象が何かわかりません。また、光にムラがあると、役者が出たり入ったりするときに顔が暗くなったりします。とはいえ、照らし過ぎても眩しくなり観客からは見えません。

また光によって影ができたりすると、なおさら見えにくくなることもあります。

照明のまず根本的な役割は、光を与えることで観客から舞台上を見えるようにすることです。

そしてこのときに意識して欲しいのは、

・光量(光の強さ)

・光の範囲

・光の方向

です。どこからどこまでが観客に見えたらいいのか、またどこから照らせば観客に見えやすいのか、どの程度の光の強さがあればいいのか、考えることが大切です。

現実的に見せる

照明の役割には物を物理的に見せること以外に現実味を帯させるという役割もあります。

というのは、舞台は季節や時間帯など、実際にその舞台が行われているタイミングと異なった季節・時間・場所を表現する必要があります。さらには、舞台セットがあまり組まれていない舞台だと光のみでその空間を表現しなければならないときもあります。

そんなときは、照明の光の強さや色や光のさす方向を変えることによって舞台上の場所・時間などを表現します。

美しく見せる

現実的に見せるとは、別に美しく見せるということも照明の仕事です。

ただ単に明るいだけでは、平坦な舞台となり、そこに面白さや感動は得られません。時に光を当てなかったり、影を作ったりするなどして、効果的に表現することで美しさを感じさせることができます。

夕日や夜景など、私たちが目にする美しいものを舞台上に表現する時には「リアルさ」を追求するよりも多少誇張してでも美しく見える光の当て方をしたほうがいいときもあります。

心情を見せる

赤が興奮や高揚、それから怒りなどを表したり、青が知的や落ち着きのあるさま、それから悲しみを表したりするように、色や明るさによって人物の感情を表現することも照明のできる「見せ方」です。

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