「2.5次元」という言葉を聞いたことがありますか?
アニメ好きな人達の間ではよく知られている「2.5次元」ですが、そうでない人にとっては馴染みがないかもしれません。
今回はそんな「2.5次元」についてわかりやすく解説します。
「2.5次元」の歴史や代表作も紹介しますので、「2.5次元」に興味のある方は必読です!
2.5次元とは?
アニメ・漫画・ゲームなどの「2次元」コンテンツを、「3次元」の世界で表現したものを「2.5次元」と呼びます。つまり、2次元のキャラクターを実在の俳優さん達が演じる作品ということです!主に映画やドラマに対して使われる「実写化」とは異なり、舞台やミュージカルに対して使われるのが「2.5次元」です。
2.5次元の歴史
そんな「2.5次元」ですが、「2.5次元」はいつから上演されているのでしょうか?歴史について解説していきます。まずは下記の年表をご覧ください。
2.5次元の主な歴史 | |
1974年 | 「ベルサイユのばら」が初めて上演される |
2003年 | ミュージカル「テニスの王子様」が初めて上演される |
2008年 | ミュージカル「テニスの王子様」The Imperial Presence 氷帝 feat. 比嘉の台湾公演・韓国公演が上演される |
2014年 | 「日本2.5次元ミュージカル協会」が設立される |
2015年 | ミュージカル「刀剣乱舞」トライアル公演が上演される |
2018年 | 「第69回NHK紅白歌合戦」にミュージカル「刀剣乱舞」より「刀剣男士」が出演 |
2021年 | 「Japan 2.5D Stage Play World: Anime, Manga & Game Theater Online Festival2021」が開催される |
始まりは宝塚歌劇団?
「2.5次元」と呼ばれる舞台が初めて上演されたのは、1974年上演の、宝塚歌劇団の「ベルサイユのばら」だと言われています。人気少女漫画の舞台化ということもあり、原作ファンから人気を博しました。それまでも漫画の舞台化はありましたが、「2.5次元ミュージカル」の源流と呼ぶべき作品は「ベルサイユのばら」でしょう。
「テニミュ」ことミュージカル「テニスの王子様」の上演
2003年、2.5次元ミュージカルの金字塔と呼ぶべき作品が初めて上演されました。「テニミュ」こと、ミュージカル「テニスの王子様」です。原作は「週刊少年ジャンプ」にて連載されていた人気漫画「テニスの王子様」(通称「テニプリ」)。原作を再現したダイナミックなテニスプレーの演出や、出演俳優の人気も相まって、「テニミュ」人気のみならず2.5次元人気を確立させたと言っても過言ではありません。
「2.5次元俳優」というジャンルの確立
前章でも触れましたが、2.5次元人気の高まりにより、舞台の中でも特に2.5次元で活躍する俳優が輩出されるようになりました。 「2.5次元俳優」と呼ばれる存在です。鈴木拡樹さん、黒羽麻璃央さんなどを筆頭に、2.5次元俳優の人気が高まりました。彼らのファンが付いたことで、俳優目当てに舞台に足を運ぶファンも増え、2.5次元は更なる盛り上がりを見せました。ちなみに、2.5次元は若手俳優の登竜門とも言えます。ドラマや映画などで活躍する俳優の中村倫也さん、志尊淳さんなども、実は2.5次元舞台に出演していました。
日本2.5次元ミュージカル協会の設立
そうして人気が高まっていく中、2014年3月、2.5次元の歴史がまた一歩前進しました。2.5次元ミュージカルの更なる発展と海外進出を目指し、「日本2.5次元ミュージカル協会」が設立されたのです。主な事業は2.5次元ミュージカルに関する実態調査及び報告書の作成、2.5次元ミュージカル推進・支援事業などです。協会には大手出版社などの特別会員、舞台の制作会社をはじめとする法人会員、演出家や脚本家、俳優などの個人会員が名を連ねています。例えば舞台俳優として第一線で活躍し、プロデューサーの顔も持つ荒牧慶彦さんも会員の1人です!
https://www.j25musical.jp/about/
世界に広がる2.5次元
前章で、“日本2.5次元ミュージカル協会は海外進出を目指している”と紹介しましたが、実際に2.5次元は世界に広がりつつあります。
2.5次元の海外進出の歴史は、2008年まで遡ります。ミュージカル「テニスの王子様」The Imperial Presence 氷帝 feat. 比嘉の台湾公演と韓国公演が行われたのです。
その後もミュージカル「黒執事」やミュージカル「美少女戦士セーラームーン」など、海外公演が行われる作品が増えていきました。
コロナ禍の2021年には、「Japan 2.5D Stage Play World: Anime, Manga & Game Theater Online Festival2021」と題し、人気2.5次元作品のオンライン配信が世界6国で行われました。
アフターコロナとなった今、これからの海外ファンの更なる盛り上がりに期待したいですね。
2.5次元の代表作
さて、ここまで2.5次元の歴史を解説してきましたが、ここからは2.5次元の代表作を3作品紹介します。
ミュージカル「刀剣乱舞」・舞台「刀剣乱舞」
2.5次元で高い知名度を誇る作品といえば、やはり「刀剣乱舞」シリーズでしょう。原案は「とうらぶ」の愛称で親しまれるオンラインゲームで、その人気から2.5次元化の流れとなりました。2015年に上映されたミュージカル「刀剣乱舞」トライアル公演を皮切りに、現在はミュージカル版・舞台版の2軸で2.5次元コンテンツを展開しています。
「刀ミュ」の愛称で親しまれるミュージカル版は、人気キャラクター達が歌って踊る、煌びやかなパフォーマンスが魅力です。刀ミュ といえば、2018年に放送された「第69回NHK紅白歌合戦」に舞台キャストが「刀剣男士」として出演し、話題となりました。
一方、「刀ステ」の愛称で親しまれる舞台版は、完全ストレートプレイであることが大きな特徴です。こちらも豪華キャストによる熱い芝居が人気を博しています。
https://stage-toukenranbu.jp/about/
ミュージカル「テニスの王子様」
前章より紹介している、2.5次元ミュージカルの金字塔と呼ぶべき作品が「テニミュ」ことミュージカル「テニスの王子様」です。原作は「週刊少年ジャンプ」にて連載されていた人気漫画「テニスの王子様」(通称「テニプリ」)。続編である「新テニスの王子様」(通称「新テニ」)も舞台化されており、2003年の初演以降、シリーズ通算公演数は2000回・累計動員数は300回を突破しています!
https://www.tennimu.com/about/#tennimu2_2023
舞台「弱虫ペダル」
「ペダステ」の愛称で親しまれる舞台「弱虫ペダル」も、長く愛され続けている2.5次元の代表作の一つです。原作は「週刊少年チャンピオン」にて好評連載中のロードレース巨編「弱虫ペダル」。あるアニメオタクの少年がロードレースに出会い、自転車競技部の仲間と共にインターハイを目指す熱い物語です。ペダステで印象的なのは、1本のハンドルと俳優によるマイムで表現される白熱のロードレースです!“パズルライドシステム”と名付けられたこの革新的な演出技法は、各方面から高い評価を得ています。
https://www.marv.jp/special/pedal/intro/
まとめ
今回は2.5次元舞台の歴史や代表作について紹介しました。いかがでしたか?
海外進出も果たしている2.5次元は、日本を代表するカルチャーになりつつあります。本記事を読んで気になった方は、2.5次元舞台をぜひ観てみてくださいね!